今や小学生でも持っているスマホ。ゲームやSNSで遊ぶこともできるし、勉強の調べ物にも使える優秀なデバイスです。
だから、勉強するときに、辞書(紙・電子)はもう不要だろうと思っている人!
めちゃくちゃ効率悪くなっているかも!
え?なんで?国語も英語も理科も社会もなんでも調べられるんだから効率いいんじゃないの?
1つで複数のことができるのは【便利】です。そして、【効率的】になることもあります。しかし、その反面、【非効率】の側面が強く出てしまうことがあるのです。
今回は、スマホが非効率になりやすい、辞書との関係について書いていきます。
スマホの使用時間(1日平均)
受験情報雑誌『蛍雪時代』7月号に大学受験生にスマホの使用時間のアンケートをとった結果が載っていました。どれくらいスマホを使っていると思いますか?
ちょこちょこ見たとして2時間くらいかなぁ?と私なら想像しますが・・・
高3春→0~2時間未満41%。2時間以上59%。(4時間以上17%)
2時間未満は4割程度しかいないんですよね。これって正確に計っているわけではないと思うので、実質2時間未満はもう少し少ないのではないかなと思います。
高3秋になると、2時間未満が60%になるので、スマホを見過ぎだったと思って改善する人が増えるということです。
スマホはすぐに時間を奪っていきます。魅力的なコンテンツが多いから仕方ないですよね。だからこそ、子どもから大人まで持っているわけです。
スマホで調べようと思ったら・・・
えーっとあれ、何だっけ?思い出せない。そうだスマホ!
スマホを起動すると、ラインの通知が。冒頭だけ見たら、「今度いつ時間ある?」。あ、返信しなきゃ。えーっとカレンダー見たら、こことここならいけるか。送信。あ、電話掛かってきた・・・
あ、ショート動画上がってる。へぇーオモシロ。いいねしとくか。あ、これ欲しかったヤツ。買おうかな・・・ん?これが今人気なんだ。へぇー。次はどんなのあるかなぁ。
心当たりのあった人は小さく手を上げてください。
スマホで調べることで、多くの場合は情報を手に入れられるんですが、便利すぎるがゆえに、他の誘惑がでてきてしまうんです。
しかも、飽きさせないコンテンツが多いので、次から次へと動画が上がってきて・・・気づいたら1時間くらい経っていたっていう経験があるのではないでしょうか?子どもならなおさら、その魅力にとりつかれてしまいます。
目的を思い出したころにはかなりの時間を消費してしまっています。勉強していたはずが遊んでいたという状態に陥りやすいのです。
ゲームのログインボーナスだけもらおうと思って起動したら・・・という男の子は多いみたいですね。
インターネットの情報は活用する能力が必要
インターネットで調べると、結構詳しく出てきます。
言葉だと複数の辞書のサイトをまとめたものが出てきますし、Wikipediaだとかなり詳しく書かれています。
でも、大人からしても情報多すぎるように思いません?学校の勉強や受験で必要な部分以上に、Wikipediaには載っていますよね。理解して欲しい中心の部分が分からないまま、あの量の情報に触れて、適切に理解を深められるのでしょうか?
高校生でも厳しいなか、小中学生には無理です。
特に小学生にとっては、国語辞典でさえ、ネットの辞典はレベルが高すぎます。
本屋さんに行けば、小学生向けの国語辞典がいくつかの出版社から出ています。スマホで調べられるなら、そんなに発売されないんです。一般向けの国語辞典では言葉が難しいし、習っていない漢字がいっぱいでてくるから、小学生でも理解できる表現や漢字で編集されているんです。
実際に授業であったやりとりを紹介しましょう。テキストに言葉の意味を書き込むところがあったので、家で辞書で調べて書いてきてねと宿題にしました。小学生向けの辞書が家にあることを確認済だったので、その辞書を使うように指示をしました。
ところが、次の時に確認すると、小学生向けの表現ではない意味が書かれていたのです。
「これってどういう意味?調べてきたんやんな?」
「え、わからん。でも辞書に載ってた。」
「国語辞典で調べた?」
「スマホで調べた・・・」
調べることはしていましたが、紙辞書が面倒で、スマホで調べていたんです。で、意味がわからないままでした。これって何の勉強にもなっていませんよね。スマホで遊んでいるのと一緒です。
インターネットの情報を活用するためには、ある程度の基本となる知識を持っておく必要があります。また、1つの情報が正しいとも限らないので複数を検討して、正しそうなものを探す必要があります。
意外とスキルが求められますし、正しさを求めると時間も掛かります。
活用する能力が高くない人が、スマホ検索に頼ってしまうと【結局わからないまま】となり、非効率になってしまいます。
辞書のメリット
「辞書」は引くのが面倒だと感じる人が多いようです。紙辞書は、あいうえお順に並んでいるので、いちいち探すのが面倒だということでしょう。電子辞書ならキーボード入力ができれば面倒くささは少ないのですが、「フリック入力」がネイティブの若者には、キーボード入力は難しいようです・・・
ただ、紙辞書だろうが、電子辞書だろうが、引くスピードは慣れです。スマホを毎日使っているから入力するのが速いだけで、辞書も使っていれば速くなります。
それに、スマホでは他のことに時間が取られ、調べても情報が多くて理解出来ていない・・・となるくらいなら、多少、時間がかかっても辞書の方がよいと思いませんか?
辞書が大変だったら、その中から重要なものを取り出したものを利用すればいいんです。
単語帳・・・辞書の中からテーマに沿って厳選された言葉が載っている。
用語集・・・特定の教科に特化した言葉が載っているミニ辞典。
目的にあったもので調べると、必要な情報に最短距離でたどり着くことができます。
また、スマホのように他のものに時間が取られるという可能性が低くなります。(私は辞書の中で遊べますが、多分、特殊な人になります)
辞書、単語帳、用語集。これらの利点は、分かっている人が編集していて信頼度が高く、かつ、範囲を絞った言葉を収録しているので、必要な情報に素速くアクセスできる。
というメリットがあります。
スマホで体調悪化する場合も・・・
辞書のメリットはおわかりいただけたかと思います。少し面倒くささはあると思いますが、目的を考えれば、辞書のメリットは大きいです。
さて、スマホの便利さの反面、体調に支障をきたすようです。長時間使用につながることで発生すると考えられます。
- 眼精疲労(視力低下)
- 頭痛
- 肩・首の痛み
- 腰の痛み
- 親指付け根の痛み
- 血行が悪くなる
『蛍雪時代』7月号にあがっていた先輩の体験談から拾ってみたところ、このような症状が出たようです。
連絡やゲーム、動画・音楽鑑賞などでスマホを使用してしまうと思うので、勉強のときくらいは離れたほうが健康に良さそうです。
まとめ:勉強のときはスマホから離れて、辞書や単語帳を活用しよう!
この記事のタイトルに対する答えは次のとおり。
辞書は必要!勉強のときにスマホを使うと、時間を他のことに奪われて非効率になったり、情報を処理しきれず、目的を達成できなかったりする可能性がある。また、健康面を考えても、辞書や単語帳を活用して、スマホから離れる時間を作ろう!
私は個人的に紙辞書が好きです。高校生のころから電子辞書も持っていましたし、電子辞書で調べる方が速いです。でも、電子辞書って横書きなんですよね。慣れの問題ですが、私は縦書きの方が読みやすく、情報が頭に入りやすいんです。
もちろん、パソコンやスマホで調べることもあります。プリント作成のとき、パソコンを立ち上げているので、そのまま検索っていうのはあります。ただし、「知っていることを調べる」という使い方です。頭に入っている知識があっているかどうかの確認に使っています。
問題を解いていて、調べ物をするときは「紙辞書」です。パソコンだと他のものに気が行くのと、情報量が多いので要約して書かないといけなくなるからです。問題の余白にメモするのに、情報多かったら困るんですよね。
手間を感じたとしても、結果的にトータルの時間は短くなります。こっちの方が【効率的】です。
国語研進会ジャッポランでは、塾に紙辞書と電子辞書を用意しています。
授業の時は、様子を見て適切な方をレンタルします。スマホで検索が必要なものは私が調べて画面を見せます。生徒は勉強に集中してもらっています。
デジタルデバイスとはうまく付き合って【利用する】ようにしましょうね。スマホに時間を奪われているという人は、もしかすると【利用されている】かもしれません。一度、スマホとの向き合い方について考えてみてはいかがでしょうか?